♯01

9/25
前へ
/25ページ
次へ
   司令室に入ると、ロイドが待ちかねたぞ、と云うように言った。  「ま~こ~と~。お~そ~い~ぞ~。」  ・・・げ、これは怖い。  「お前~、ここに来るまでに一体な~にをしていたのだ~? 返と~によっては・・・・・・。」  殺すぞ、とでも言いたげにじっとりと睨んでくるロイドに、真事はもう蛇に睨まれる蛙の気分だ。  「ななななな、な~んにもしてませんてば~!!!」  慌ててそう言うと、ロイドから怒鳴られた。  「なら、なぜもっと早く来ない!訳くらい話せ!」    「話した方が良いよ真琴君、ロイドはこうなったら話聞かないから。」  真琴が返答に困っていると、局長がポン、と肩を叩いて言った。 そろそろと大佐の方を見ると、相変わらず怖~い顔をしてどす黒~い怒りのオーラを発している。  ・・・うーん、確かにこれは訳を話した方がよさそうだ。  真琴はそう腹をくくり、ロイドに事情を話すことにした。  「・・・それで、コンピューターのお喋りにずっと付き合ってたんですってば~」  真琴は、困ったような顔をして言った。 すると、またロイドから怒鳴り声がすっ飛んできた。  「何かと思ったらそんな理由か!コンピューターのお喋りぐらい流さんか!」  「だってあのコンピューター、お喋りに付き合わないと暫く物凄い不機嫌になるじゃないですか~。」  真琴はもう困り果てている。 も~ヤダ、と云う表情を隠そうともしていない真琴に、局長が助け船を出す。  「い~じゃないかロイド君、真琴君だって悪気がある訳じゃないんだから」  「当り前だ!悪気があったらここの窓から叩き落としとるわ!」  「ロイド君、そんな両極端にせいでも・・・」  「だいたい局長が甘やかすからこいつがこうなるんでしょうが!」  「さすがだロイド君、見事な責任転嫁」  「いつ私が責任転嫁などしたとゆーか!局長といえどもヨ―シャはせんぞ!」  「・・・あのーぉ、喧嘩はいいから非常事態とやらを教えてくれませんか・・・」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加