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デスクに戻り、もう私達の様子にすっかり慣れた後ろの席の男性社員の先輩に「お疲れ」の言葉を頂き、椅子に座る。 隣の柊さんを見ると、口角が上がって微かに笑っていた。 その様子に頬を少しだけ膨らませ、私は今日の仕事に取り掛かった。 __________________ その日の夜、プレゼンの資料作成のため久々の残業をし、同じく仕事を終えた柊さんと一緒に帰った。 いつもは電車だけど彼は車通勤。助手席に乗せてもらい、今日も柊さんのお家に帰る。 そう、あの一週間前に泊まった日から、私は一度も自分の家に帰ってはいないんだ。 自分の家に帰るのも必要な物や通勤用の服を取りに帰るくらい。 この一週間はずっと柊さんの家で一緒に夜を過ごし、朝も迎えている。
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