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マンションを出るときは一緒に出るけれど、会社が入っているビルの駐車場で別れ、私が先に行き、柊さんは離れた位置で後ろを歩く。
この時、必ず通るのは受付……築島さんが待っている受付だ。
でも、業務上の挨拶は交わすだけで、あの日以来、築島さんから声をかけられる事はなかった。
後ろで柊さんが見てくれているおかげだと思うけれど、それでもランチも帰りも私を待ち伏せをする事はなくなった。
それとなく留美に聞いてみたら
「別に何も変わりないよー?仕事中もいつも通りだけど。気になるなら誘おうか?」
そんな答えが返ってきたから、首を盛大に横に振っておいた。
そっか。変わりないのか…じゃあ、柊さんの事は諦めてくれたのかな?
何もされる事がなくなった安心感で落ち着いた心は、彼との生活を心から楽しむ余裕が出来ていた。
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