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それにしても私の親に柊さんを紹介するなんて変な感じ。 お母さんには親子の会話で「すっごくカッコいい先輩がいるの!毎週木曜日に必ず現れる先輩!!」って喋っていた記憶がある。 その時の先輩がこの人だって言ったらびっくりするかな? そんな事を思いながら二人で一つのベッドに潜り込み、腕枕をしてもらっている肌に頬をすり寄せた。 「……どうした?眠れないか?」 動いた私は浅い眠りに入っていた柊さんを起こしてしまったみたい。 連日激務で疲れているこの人の身体はあっという間に睡魔に襲われてるよう。 私は「ふふっ」っと笑って簡単に答えた。 「はい、幸せ過ぎて今日は眠れないです。でも、私の事は気にせず寝て下さいね」 そう言うと彼は微笑んでくれて、私の方に向きを変え静かに瞼を閉じた。 自惚れじゃなかったら柊さんの表情もとても幸せそうに見える。 その柊さんの頬に優しくキスをして、幸福感に包まれながらこの日は眠れない夜を過ごした。
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