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だからこそ、やっぱり留美に真実を告げるのだけは避けたい。 「あー…あの日ね。うん、ちょっと体調が悪かっただけ。胃痛が酷くて…… その上、ちょっと話が合わないって言ってた築島さんと二人でランチでしょ?あまり会話も弾まなくて…」 嘘をつく事と悪口を言っている自分に、吐き気がするほど嫌な感情に襲われる。 もう築島さんとの話題は言いたくなくて、早めに明るい話題を口にした。 「でもね、もう大丈夫!あのね、私、柊さんのプレゼンのチームのメンバーに選んでもらってね。プレゼンのシナリオの一部のモニターアンケートの資料作成も任される事が嬉しくって! あと、もう一個嬉しい事はね……多分、柊さんと近いうちに一緒に住むことになる…かも…」 そこまで言い切ったところで、複雑そうな留美の顔は一変して真っ赤に染まり、カフェ中に響き渡る大声を出した。
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