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店内にいる誰もが私達に注目したと思う。そのくらい留美の大声は凄かった。 目の前にいた私は両耳を手で塞ぎ、「留美っ!声、大きい!!」っとしか言いようがなくて、そんな私をお構いなしに留美は次々と質問を繰り返す。 「何?それ!どういう事?!いつのまにそんな急展開になってたの?!まだ付き合って半年も経っていないのにもう同棲!!一緒に暮らすってそれ結婚?!」 ”結婚”の言葉に私の体内は急上昇で熱が上がる。店内の冷房なんか全く効かないくらい熱くなり、額には大粒の汗が噴出してきた。 「けっ…!!結婚…って!話が飛びすぎだよ!留美!」 「でも、一緒に暮らすっていずれそういう事になるんじゃないの? あの堅物で真面目な柊さんなら、同棲イコール結婚って考えてもおかしくないと思うけど」 ”堅物で真面目”には何も反論するところはない。私も常々そう思っていたから。
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