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「やっ…でも、そういう事を直接言われた事なんか一回もないし…
そ、それに今は仕事を一人前にこなすようにならなくちゃ!うん、今は仕事だよ!」
店内に入ってからまだ決まっていない注文を決めるためメニューに急いで視線を移す。
だってまだまだ新入社員の私がいきなり寿退社だなんて前代未聞だ。
そんな私を見た留美は深いため息をつき、「いいな~」っと、ポツリと呟いた。
「やっぱ初恋同士だと盛り上がるもんなのかなぁ?」
「…どういう事?」
「だってさ、直接接触はなかったとはいえ昔から知っているみたいなものじゃん?それに初恋の人って、自分の心の中にいつまでも残っている異性でしょ?
やっぱそんな人と恋愛できたら凄く運命を感じるんだろうなぁっと思って」
宙を見ながらまた深いため息をついた留美はどこか上の空。私は留美の言った言葉に、胸の中がじんわりと温かくなっていた。
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