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デスクの上の片付けを終えた頃、販促課のフロアに戻って来る3人の男性社員が入ってきた。 一番最後に入ってきた柊さんを見つけ、ピンッと背筋を伸ばす。 私のその姿を見つけた彼は表情を変えずにデスクにまで戻ってきた。 「会議、お疲れ様ですっ。あの、戻ってきて早々申し訳ないのですが、午後のお時間のある時にプレゼン用のデータチェックお願いできますか?!」 椅子に座ろうとした彼は、少し目を見開いて驚いていた。 そしてキィ…っという静かな音を鳴らせて椅子に座る。 「もう出来たのですか?随分と早い…」 「頑張りましたから!」 笑顔で柊さんの言葉を遮った。今回ばかりは自信がある分、私にも笑顔を見せれる余裕がある。 そんな私を柊さんは疑り深い目つきをするけれど、すぐに微笑んでくれた。 こんな顔をオフィスで見せる柊さんは本当に変わったなって思う。
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