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吉沢さんの頼まれごとの資料は確か赤いファイルに入れてデスクの引き出しに入れたはず。
自分のデスクに戻り、赤いファイルを取り出して中をチェックし、吉沢さんのところへ行こうとすると、販促課の入り口から先輩社員から私に声がかかった。
「あーっ!御坂さん、ちょうどよかった!今から8人分のお茶、会議室に用意してくれない?担当だった女の子、今日体調が悪くて休みなんだ。頼む!」
用件だけ言ってその場を去った先輩。私は立ち尽くして一体どっちを優先しようか悩んでいると…
「ふはっ。俺のは後でいいから。先にお茶淹れてきて」
ノンフレームの眼鏡のレンズの奥の瞳は可笑しそうに細められていた。
私の様子はそんなに可笑しかったんだろうか?少し複雑だったけれど、「すみません」っと謝罪をして給湯室へと向かった。
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