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必死で引き止めるウチの社員とそれを邪険にする取引先。 半ば強引に取引先の髪の寂しい人がエレベーターに乗り込むとその扉はさっさと閉まり、ウチの先輩社員は盛大なため息をついていた。 周りからは同情の声がチラホラと出る。 私も大変そう…っと心配をして見ていると、その先輩社員と目が合ってしまった。 「御坂さんっ!!」 「は、はいっ!!」 私に声をかけたのはお茶だしを頼んだ人で、今盛大にため息をついた人。 その人は私と目が合うと、何の迷いもなくこちらへと向かってきた。 「頼む!この書類、さっきの取引先の人に渡してきて!」 「え、えぇ?!何で私がっ…!!」 「あの重役さん、若い女の子が相手なら誰でもご機嫌に相手をしてくれるんだよ!とにかく、この企画書を読んでもらわなきゃこの打ち合わせは何も進まないから頼む!お願い!!」
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