6

13/36
前へ
/434ページ
次へ
周りの社員達の視線が私に集中する。 そして強引に渡された企画書が入った封筒。 右手にはプレゼン資料が入ったクリアファイル。 左手には手渡された我儘重役の企画書。 抵抗しようと思ったけれど、藁にもすがる思いで手渡された企画書に首を横には振れず、渋々我儘重役を追いかけた。 先輩社員から申し訳ない言葉を述べられ相槌を打ちながら、もう一つのエレベーターに乗り込む。 さっき行ったばかりのエレベーターに我儘重役は乗った。だから急げばまだ間に合うはず。 そう思った私はエレベーターが到着するなり扉が開いた瞬間に駆けだした。 そしてある人とぶつかってしまうことになる。 一歩走り出した途端、右肩に衝撃が走った。 そして私が持っていたプレゼン資料のクリアファイルから資料とUSBがその場に音をたてて散らばってしまう。
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5015人が本棚に入れています
本棚に追加