プロローグ

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初めて君を意識し始めたあの日。 今日のように少し蒸し暑く、雨の香りがする日だったと思う。 梅雨の湿気のせいで、彼女の特徴ある黒髪オカッパはいつも以上にその髪の多さを強調していた。 後ろ姿でもすぐにわかるくらいに。 友人が 「あれが可愛いんだよー!何か擦れてない感じが滲み出てて、グッとくるんだよな。素朴で純粋そうで人形みたいで…」 っと、熱く語っていたことを思い出す。 その時の俺は友人が熱く語る意味は一ミリもわからなかった。だからこそ、興味本位で声をかけてみた。 今、その時の友人と自分の行動に心から感謝をする。 声をかけ、顔を上げた彼女は顔を真っ赤に染め上げて、人見知りなのか淡い桜色に染まった唇は小刻みに震えていた。
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