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自分なりに上手く誤魔化したつもりでも、彼にはそんなもの通用しない。 ジッと真っ直ぐ鋭い瞳で見つめられる。私の本心を見抜こうとするその瞳に私は物凄く弱いんだ。 「きょ…今日のネクタイ、選んできますね!」 朝食も食べ終えていないというのに、ここでに泊まり始めてから私が必ずする事となっている柊さんのネクタイを選びに立ち上がり、クローゼットへと向かった。 後ろからは私の姿を追いかける柊さんの視線を感じる。 クローゼットから、今日のストライプのシャツに合わせた紺色のネクタイを取り出した後、その視線に顔を少しだけ後ろに振り向いた。 「……わっ」 心配そうにこっちを見ていてくれた柊さんは、私がネクタイを選んでいる内にすぐ近くまで来てくれていた。 頭にポンッと手を置かれ、何も言わないまま慰めてくれる。
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