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「バカヤロウ!何やってんだっ!!」 「す、すみませんっ!」 「謝って済む問題じゃないぞ!自分がやってる仕事がどういう仕事なのかわかってんのか!!」 俯く私の耳には、静まり返ったフロアの中で吉沢さんの怒鳴り声だけが響いてくる。そして、フロアにいた社員達が全員私達の方を見ていた。 私達、”販促課”はデータ収集が全てだ。 そのためにのデータ管理は、他のどこの部署よりも気をつけなくてはいけないのに… 私はその注意を怠ってしまった。 全部、私の責任だ。 「今すぐ見つけて来い!」 「は、はいっ…」 「探す前に紛失届けを出しなさい。そして新しいUSBに今回紛失したデータをコピーする事。まずはそれが最優先です」 駆け出そうと振り返った先にはすぐに柊さんがいた。 私の肩に手を置き、今するべき事を教えてくれる。
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