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顔は真っ青になり、血の気は失せていく。マウスを持った手から全身が震えてくる。 ……なんで? どうしてこんな事に…… 「御坂さん?」 パソコンのモニターをただ見つめている私を、隣から不思議そうに私を呼ぶ柊さんの声が聞こえてくる。 でも今はその声に答える余裕なんてない。 私の頭の中は真っ白だ…… 「どうしました?」 後ろから背中を覆うようにしゃがんで私のパソコンを見た柊さんは、モニターを見ると動きが止まり息を呑んだ。 そして耳のすぐそばで、誰にも聞こえないくらいの声で問いかけられる。 「……データのフォルダは?」 「わ、わかりません……今パソコンを立ち上げたら……全部削除されていて…」 「…自分で誤って削除してしまった可能性は?」 「そんなこと絶対にしません!昨日もいつも通り業務を終えてから、パソコンの電源を切りました!」
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