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深いため息をつきながらパーテーションから中に入り、椅子に座ろうとしたところで柊さんと吉沢さんが入ってきた。 二人共酷く難しい顔をしていて、ここで三人で話す時はいつも笑顔でやる気ばかりみなぎっていた事が、随分と昔の事のように思えた…… 「本当に申し訳ありません」 椅子に座る前に靴先を見つめて頭を下げた。 こんな状況になってしまったのはまだ原因はわからないけれど、こんな事になるまで気付かなかった私にも責任はあるから。 「もう頭は下げなくていい。柊からフォルダの事も聞いた。まず、座ってゆっくりと今の状況を整理しよう」 吉沢さんの口調はもう元通りに戻っていて、さっきの怒りはどこにも見当たらなかった。 だから私も頭を上げ、先に座っていた彼らの前の席に座った。
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