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「はっ?築島?」 「…………」 目の前にいる二人のリアクションは全く正反対だ。 柊さんは腕を組んで目を瞑り、吉沢さんは不思議そうな顔をして私を見ている。 「何で築島が?別にアイツには関係のないこと…」 「吉沢さんは築島さんがここで研修にいた時の教育係でしたよね」 柊さんが吉沢さんの言葉を遮り、首を傾けながら問いただす。 もう私は柊さんに任せるしかなかった。 「あぁ、築島が御坂さんの時のように研修で来てた時は、俺が教育係だったが」 「その時、どこまでここの業務内容を教えましたか?」 柊さんは淡々と言葉を述べていくけれど、声はいつになく低く苛立ちがこもっているように私には思えた。 だって、あの吉沢さんが柊さんのこの威圧感ある雰囲気に呑まれているのが私でもわかるから。
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