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「……あいつは、ここの仕事内容が気に入って入社したって言ってたから、やる気だけはあったんだ。実力は別として。 俺はそういう人間は嫌いじゃないからある程度は任せてて…」 「ここのパソコンの共有パスワードは?」 「……教えた、な」 それを聞くと柊さんは立ち上がり、パーテーションのフロアから出て行く。 吉沢さんも何かを悟ったように額を片手で覆っていた。 吉沢さんの様子も気になったけれど、あまりに勢いよく柊さんが去ってしまったから、私も駆け出して後を追った。 「あ、あの…柊さんっ!」 「受付へ行って来る」 「えっ?!あの、ちょっと待って下さい!今、業務中ですよ!」 「構わない。築島に話を聞きに行く」 「だ、駄目ですよ!駄目です!向こうも今はきっと接客中でしょうし、違う部署に迷惑がかかっちゃいます!」
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