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私の声が届いたのか、柊さんはフロアを出た廊下で足を止めてくれた。 でも振り返ったその顔は見たことないくらい冷たい目をしていて、激しい怒りに満ちている。 「君は自分が築島にされた事をわかっているのか?今まで努力してきた事を、あの女の指先一つで全て台無しにされたんだぞ。 それに築島の今回の行動は、俺達のプレゼンの妨害でしかない」 「そ、それでも…まだ確証はありませんから…」 「まだそんな事を言っているのか。どこまで人がいいんだ、琴は」 盛大なため息が彼から放たれた。 でも、柊さんの怒りは当然だ。そしてその怒りは私も同じ。 柊さんと私達のプレゼンを邪魔をするこの行動……絶対に許せないから。 だから、今まで築島さんから逃げていた私は、この人に真正面からぶつかりたいっとこの時心からそう思った。
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