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「ふぅ…」っと一つ深呼吸をする。 この件は吉沢さんには柊さんから伝えてもらうようにお願いした。 二人は吉沢さんのデスクから心配そうに見てくれている。 だから、私は意思の強い顔付きで受話器を握り、受付へと内線を繋いだ。 2コールで、通話に繋がる音がした。 『お待たせしました。受付の築島です』 「…っ」 まさか築島さん本人が出るとは思わなく、つい身構えてしまった。 いつもなら事務作業中の受付の社員が出るはず… 受付に立っていた築島さんが出るはずがないのに。 これは電話がくる事を予測していたんだろうか? 私は声が震えないように、しっかりと声を出した。 「お忙しい中申し訳ありません。販促課の御坂です」 『あら、御坂さん。どうしたの?珍しいわね、あなたから内線だなんて』
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