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わざとらしい言い方に目を瞑り、気持ちを抑えた。
大丈夫、まだ冷静だ。
「あの…築島さんにお話があるんです。
凄く大事なお話が。
今日中に二人で会える時間を作ってもらえませんか?」
デスクの上に置いた私の握りこぶしは手汗でベッタリだ。
そして、築島さんはしばらく考えて返事をする。
『そうねぇ…お昼休憩なら大丈夫よ。
せっかくだからこの前行ったあの和風カフェにランチに行きましょうか?
あの時、御坂さん何も食べずに帰ったでしょう?
美味しいのにあそこの味を知らないのは勿体無いわ』
あまりの気軽な言葉に感情が昂ぶってつい、大声が出そうになった。
これ、完全に馬鹿にされている……
言い返したくなる言葉を呑み込んで、いつでも冷静な柊さんをお手本に私は自分を取り戻した。
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