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カツ、カツ…っとヒールの音が大きくなってきたと思ったら、築島さんが姿を現した。 その顔は笑顔だ。歓迎してくれているように思えてしまうくらいの。 「時間通りね。さすが御坂さん、ちゃんとしてるわ」 「……それは…どうも。あの、お話なんですができればここじゃなく、どこか移動してもいいですか?」 チラッと奥の事務作業中の先輩に視線を移した。 築島さんが何も後ろめたい事がなければここで話そうというはず。 そうじゃなければ、築島さんにとって聞かれたら困る事があるという事だ。 「…そうね、わかったわ。せっかくだから二人で話せる場所に行きましょうか。 確かこのビルの中庭ってベンチとかあったわよね。そこに行きましょう」 最近、外装工事が終わってその時に中庭もリフォームされて格段に綺麗になったと話に聞いた事がある。 いつか行ってみたいと思っていたけれど、まさかこのタイミングで行く事なるとは思わなかった。
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