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「か、返してください。USB…大切なものなんです。長い時間をかけて頑張って作ったんです。 それに、それがないと柊さんのプレゼン……間に合わなくなっちゃう」 彼の名前を出すだけで涙が出そうになるのはまだまだ自分が弱い証拠だ。 でも、築島さんに返してもらわないと本当に間に合わない。 今まで積み上げてきた彼のキャリアに傷をつけることになる。 それだけは絶対にしたくない。 もし、築島さんがまだ柊さんの事を好きならば、絶対に返してくれると思ったのに… 彼女から出た言葉に私は耳を疑った。 「まぁ、USBなくしちゃったの?!信じられない!販促課にとってデータ管理は何よりも徹底しなくちゃいけないことでしょう! 御坂さんらしくないわ!どうしたの?!」 まだ、とぼける築島さんに呆気に取られた私。 築島さんはわざとらしく驚いた表情を作っていた。
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