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でも、黙ってなんかいられない。絶対に取り戻さなきゃいけないんだから。 グッと唇を噛み締め、私は息を吸って本題に入った。 「……築島さん、取りましたよね?そして私のパソコンでプレゼンに関わるデータが入っているフォルダも全部削除しましたよね? 吉沢さんが言っていました。”販促課”の共用パスワードを築島さんは知っているって。 何よりの証拠に、私のプレゼン関係の資料を最後に触ったのは築島さんで…」 そこまで言うと彼女は立ち上がり、今度は私に詰め寄ってきた。 向き合った顔は酷く悲しい顔をしていて、その顔に私も言葉が詰まってしまった。 「自分の失敗を人に擦り付けるの? 指導係である柊君が聞いたらきっとショックを受けるでしょうね。 まさか、あなたがそんな事を思いつくなんて。 私もショックだわ、親切にしてあげた事がまさか泥棒扱いされるだなんて」
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