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悲しげな瞳には涙が溜まっていて、まるで私が悪い事をしているみたい。 次に続く言葉が見つからなくて、ただ呆然と彼女の姿を見ていた。 築島さんは一度顔も目も伏せ、少ししてから顔を上げた。 その顔は悲しげな名残は一切なくて、ふわっと柔らかい笑みを浮かべている。 そして口を開いた。 「大事なデータ管理も出来ない御坂さんは、このお仕事に向いていないんじゃないの?」 「なっ…!」 驚きで肩が上がり、咄嗟の怒りで全身が熱くなる。 今、信じられないことを言われた!! 「そうね…この身体を使えるお仕事でもやったらどう?その方がよっぽど向いているかも」 手を伸ばして触られているのは私の上半身。目線は胸…… 私は勢いよくその手を振り払った。
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