初恋の香り2

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「受付の女性社員に聞きましたら、あなたと御坂がここに行ったと聞いたので追いかけてきました。
ですが、少し遅かったようですね。話は終わったのでしょうか？」

腕を組み見下した態度で、感情の起伏など一切ない怒りを込めた棒読みのような言葉を放っても、築島は顔色一つ変わらない。
琴ならここで大袈裟な位に慌てて、震えながらも精一杯反応するというのに。

やはりこの女は苦手だ。

「えぇ、終わったわ。凄く残念なお話でね……私、とても悲しかった…
まさかの泥棒扱いされちゃってね、色々と誤解があったようだけど…」
「事実でしょう」

切ない顔で媚びた態度をとれば、簡単に男は寝返るとでも思っているその態度に腹が立つ。
最後まで聞かぬまま、俺は築島の言葉を遮った。