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「もういいでしょう。さっさと返してもらえませんか?あなたにこれ以上関わる時間も勿体無い」 組んでいた手を差し出し、催促するがその手にUSBが渡されることはなかった。 変わりに築島が制服のポケットを漁り差し出したものは、小さく四つ折にされた紙が一枚手のひらに乗った。 「……どういうつもりですか?」 「ふふっ、プレゼント」 微笑むその笑顔に虫唾が走りながらも紙を開くと、そこには電話番号と見たこともない住所が書かれている。 怪訝な顔で紙と築島を見比べると、穏やかに耳を疑うような事を言い出した。 「どうしても私を疑っていて探し物をしたいのなら家に来て。でも、柊君一人でね。部下の失態の責任は上司のあなたの責任でもあるでしょう? それに私、あなたと一緒で信用していない人間を家に入れたくはないの」
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