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脳内に記憶する事を拒否したくなる言葉を耳にしてしまい、軽く眩暈がした。 「ふざけないで下さい。行くわけがないでしょう、あなたの家になど」 「来るわ、柊君なら。だって見つからないとプレゼンに間に合わないでしょう?御坂さんの話だと、随分大きなプレゼンを吉沢さんとチームを組んで任されたみたいじゃない。だったら尚更、せっかくのキャリアに傷がついたら嫌ですものね」 柔らかい笑みを浮かべ、俺の手を両手で取り、しっかりと握らされた連絡先を住所が書かれた紙。 いくら任された仕事の為とはいえ、一人でこの女の家に行くなど考えられない。 もし行ったとすれば琴がどんな想いをするか…… 過去に築島と同じ時間を家で過ごしたと知っただけで、あんなに動転してしまった彼女。 今も同じような事をすれば確実に俺達の間に溝が出来る。 それだけはやってしまってはいけない。
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