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「琴は何も謝らなくていい」 「いえ、私の責任です。私がもうちょっとちゃんとしていたら…もっとしっかりと管理をしていたらこんな事にはならなくって… ごめんなさい、絶対にプレゼンまでに間に合わせますから…っ! 柊さんの足手まといにならないように頑張りますから!」 後ろから抱きしめていた向きを自分で強引に変え、俺と向き合った彼女はもう涙を流していた。 こんな事態になっているのは誰のせいなのかもう明白なのに、なおそれでも自分にも責任があると言い切る琴に、先ほど築島から言われた言葉が現実味が増す。 琴は必死に涙を我慢しようとして、口もとに手を当て嗚咽を洩らす。 俺はその手を取り、震える彼女の身体を抱きしめて包み込むように口付けをした。
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