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「まぁ…あまり傷を深くするような事はするなよ」 吉沢さんに肩を叩かれ、その言葉がどういう意図があって俺に向けられているのかは理解しているつもりだ。 だが築島が素直に返してくれるとは思えない。 「はぁ……」 さっきから頭痛が止まらない。 その鈍い痛みは胸からなのか頭からなのか。 それとも両方ともに感じるからこんなに酷いのか…… 吉沢さんが先に出たパーテーションの部屋から俺も退室し、デスクに戻る。 「…柊さん、大丈夫ですか?顔色が悪いです」 隣からは俺を気遣う彼女の癒しの声が聞こえてくる。 顔色が悪いのはお互い様だ。俺を気遣う琴の顔色も相当悪い。 「大丈夫だ。心配いらない」 出来るだけ安心させるように振舞いながらも時間は無常にも過ぎていき、とうとう定時を知らせるベルが鳴った。
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