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駐車場まで辿り着き、ジャケットのポケットから握り潰された築島の住所と電話番号が書かれた紙を取り出した。 その住所を記憶力だけはいい俺は脳内にインプットさせ、駐車場に備え付けられてあるゴミ箱に細かく破り処分した。 電話番号なんて覚える必要もない。 俺のこれからに二度と必要のない数字の羅列だ。 気を取り直して車に乗り、夜の運転用にグローブボックスに置いてある眼鏡を取り出し装着する。 浅く深呼吸した後、車を発進させた。
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