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柊さんを待っていたその間、私はずっと何もせずデスクの椅子に座り、ひたすらに待っていた。 それは例え何時になろうともずっとここで待っていると決めていた。 だって柊さんは必ず約束を守ってくれる人だって信じているから。 ”大丈夫” ”任せろ” ”待っててくれ” この言葉を信じて、私はこの場所で待つと決めたんだ。 目の前にあるのは作りかけのプレゼン用のデータ。 でも、柊さんが絶対取り返してくれるって信じているから、もうデータも作成しない。 太ももの上に両手を添えて置き、ただ彼の帰りをひたすらに待つ。 あれだけ築島さんを避けていた柊さんが、築島さんに会いに行くという事を言った時、本当に驚いた。 きっと凄く悩んでくれたんだと思う。 だけど、私が不甲斐ないから彼自身が行動してくれて、もう辛い思いをしないように一人で行ってくれたんだ…っと、私は思っていた。
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