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そして柊さんも仕事だと割り切ってしょうがなく…… 何もなかった事が証明出来ない今は、そう割り切る事しか出来なかった。 だって、ここまで彼を追い詰めてこんな行動をさせてしまったのは、全て私の不注意から始まった事じゃないか。 だから彼を責める権利は私には無い。 ……我慢しなきゃ。 柊さんはちゃんと約束を守ってくれた。 ちゃんと全て元通りになったからいいじゃないかって。 これで彼の仕事が成功するのならば、今ここで私の個人的な想いで柊さんを責め立てるのはお門違いもいいところだ。 「ごめんなさい、私、本当築島さんの事になると変な事ばかり言っちゃう…」 無理矢理な笑顔を作り、彼から離れる。 それでも柊さんは私から手を離す事はなかった。
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