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さっきまでの気持ちの騒々しさが嘘みたいだ。
時計の秒針しか聞こえないこの部屋で彼の家のソファに座り、Tシャツ一枚の柊さんの肩に頭を預け、温もりを感じている。
目を瞑ればこのまま眠れそう……
そんな穏やかな時間が私達の間には流れている。
本当、疲れた一日だった……
「今日は疲れた一日だったな……」
頭上からはまさかの柊さんの声。
今、頭の中の声が彼に届いたのかと思った。
「ぷはっ!」
「何だ?何が可笑しい」
「いえ、ふふっ。ちょっとビックリしちゃって。私も同じ事を考えていましたから」
見上げると柊さんは驚いた顔をしていた。そして柔らかい雰囲気になって微笑んでくれると、肩を抱き寄せてくれる。
「琴はやっぱり笑った顔が一番可愛い」
そんな甘い言葉も一緒に。
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