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いつもならその甘い言葉に恥ずかしくなって頬を染め上げてしまうけれど、今の私はちょっと違う。
いつか言ってみたかった言葉があった。
言うのなら今しかないっと思ったから、その勇気を出すために頬が赤く染まってしまったんだ。
ソファの上で足を抱え込んで座っていた私。
彼から離れて膝に顔を埋めると、覚悟を決めて顔を上げた。
そして彼の方に振り向く。
「……っも」
「も?何だ?」
「湊さんも…笑った方がいいですよ。私、好きです。み、湊さんの笑った顔」
言ってしまった後、急速に襲ってくる羞恥心に身体全体が湯気が出るほどに熱くなる。
「ひゃっ…言っちゃった…!な、名前で私、いつか呼んでみたかったんです、柊さんの事。け、結構恥ずかしいですねっ!」
熱くなる顔を隠したくて膝にまた埋めた顔。
柊さんからは何の返答もない。
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