5014人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
私の言い分にまだ理解出来ないって顔をしているけれど、それでも湊さんは渋々起き上がって私の事も背中に腕を回して起こしてくれた。
そしてそのまま膝の下にも腕を入れられて、私を持ち上げて立ち上がった。
「わっ…きゃぁっ!!み、湊さん、私体重あまり変わってないから重いままですよ!!」
落ちそうになったのを咄嗟に首に腕を回してしがみついた。
顔のすぐ横には瞳の色がわかるくらいの距離に彼の顔がある。
「あぁ、そうだな。ちょうどいい重さだ」
…嘘。以前、私の事をこうして運んだ時は唸っていたくせに。絶対やせ我慢だ。
なんてない顔をしているけれど、彼の細腕は絶対震えているはず。
疑わしい目線を送っていると、ベッドへと歩き出した湊さんにフッと笑われた。
最初のコメントを投稿しよう!