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そのまま私をベッドの上に降ろすと、ベッドのサイドテーブルに置いてあるリモコンで電気を消してくれた。 薄っすらとした橙色の灯りが包んでくれるこの部屋は、一気に雰囲気が変わる。 湊さんは私の存在を確かめるように私の頬に触れ、その手は熱くなり、触れられた場所から順番に力が抜けていく。 そして私の彼への想いは膨らんで破裂しそうな勢いになる。 それはやっぱり…… 今日、あんな事があったからかな? この部屋に帰って来て、もうすっかりいつも通りの二人に戻っていたから穏やかな感情を保てていたけれど、心のどこかではまだ不安で怖かった気持ちが残っていたのかもしれない。 ギシッとスプリングの音をたてて私の隣に座った湊さんの胸にすがりついた。 「…琴」 彼が私の名前を呼んだ声も、いつもよりか切なげに聞こえた気がした。
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