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「ぎゅうって、して下さい」 キスよりも重なり合うことよりも、何よりも湊さんに抱き締めてもらいたかった。 変なの… こんなのいつでもしてもらっているのに。 さっきだってオフィスで散々抱き合ってきたのに。 でも、心が訴えてくる。 ”まだ、足りない”って。 ”まだまだ湊さんが足りない”って。 恋って欲張りだ。どんどん次が欲しくなる。 こんなに大切に想ってもらっているのに、まだまだ欲しがっちゃうんだから。 あぁ、だからその先にあるものって、”好き”以上の愛情が生まれてくるんだろうか? ”好き”だけじゃ伝えきれない事もあるんだ。 「……湊さん」 胸を擦るように顔を上げ、彼を見上げた。
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