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その時間はとても長かったと思う。
だって、ずっとずっと聞きたかった幾つもの質問が次々と出てきて止まらないんだ。
だから、いつまでも手を合わせて目を開けない私を湊さんは隣でクスクスと笑っていた。
「……もう、せっかくお喋りしているんだから笑わないで下さい」
「いや…長すぎないか?何をそんなに聞くことがある」
「そんなの、めちゃくちゃいっぱいあります」
湊さんに声をかけられたから手を合わせることを止めて、彼の方へと振り向いた。
「湊さんは子どもの頃、どんなお子さんだったんですか?とか、いつからトマトが食べられなくなったんですか?とか、本を読み始めたのはいつからなんですか?とか」
「…そんな事、聞いてたのか?」
私の言った事に呆れ笑いをしている湊さんは、軽く笑うとお墓へと視線を移した。
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