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私の少々熱い言葉を聞いた湊さんは若干戸惑っている感じ。
でも、すぐにいつもの彼に戻った。
「…そう思うか?」
「はいっ!もちろん!」
ここが墓地だという事も忘れ、つい大声で返事をしてしまい、慌てて口を隠す。
危ない…また「相変わらず空気を読まないですね、あなたは」というお小言を聞くところだった。
でも、今の湊さんはそんなお小言ではなく、柔らかい微笑をくれた。
そして絡めた手を外し、私の左手の薬指を何度か擦る。
「本当、琴がいてくれてよかった。今、改めて感じたな」
「へっ?!」
心拍数が限りなく上がったと思う、今。心臓が胸から飛び出てきそうだ!
「そ、そそ、そうですか?」
「あぁ。……親に見せたかった、君の事」
さっき上がった心拍数は一瞬にして落ちていった。
でも、それは悲しいからとかじゃない。
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