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「ふふ……」
「何が可笑しい。さぁ、遅れるといけない。もう行くぞ」
彼のご両親に別れを告げ、また会いに来ると伝えてその場を離れた。
手はしっかりと握り締めあったまま。
離す事なんて考えられない。
石の階段を下って行く時、彼に語りかけた。
「あのね、湊さん」
「何だ?」
「さっきの答えですけどね」
”君は俺を何だと思っている”その答え。
「私にとって湊さんは…そうですね……」
隣を歩く彼は私のスピードに合わせてゆっくり歩いてくれる。
今までも、これからも、ずっとずっと一緒に歩んでいく人。
「湊さんは私の初恋の人で……そして…」
そして…の先を言おうとして、彼に親指で唇を塞がれ、言葉を止められてしまった。
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