プロポーズ編

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無言の車内には湊さんのマンションまでの帰り道を案内するナビの声だけがするだけで、私も湊さんも必要以外の言葉を喋っていない。 正確には私の実家からの帰り道の間、ずっと。 湊さんのご両親のお墓参りを終えて、私の実家へと向かった。 その時は本当にお天気にも恵まれて、清清しい気持ちと気恥ずかしい気持ちと少しの緊張でとても幸福感に包まれていたんだ。 そして車で走る事、約一時間。 同じ中学出身の私達だから実家同士はもちろん近かった。 だからか、湊さんは慣れた道だったから時間に余裕があり、せっかくだからと私達が出逢った場所でもある中学校を車から覗いたり、通学路をゆっくりと車で走らせたり…っと、お互いの思い出のコースを辿ってくれたんだ。 そうしてようやく到着した私の実家。
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