プロポーズ編

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玄関で出迎えてくれたのは私の母だった。 事前に母には話をしていたから、 ”この人が琴音が言っていたあの先輩なのね…!” っという眼力が凄かったのを覚えている。 でも湊さんはその視線に屈せずに、完璧な挨拶を披露してくれた。 「お忙しい中、お時間を取らせてしまい申し訳ありません。そして御招き頂き、本当にありがとうございます」 スッと伸びた背筋に真っ直ぐに母親を見つめ、取引先に訪問しているかのような態度の湊さんだった。 やっぱりこの人はこういう人なんだ…っと見上げて思っていると、私のお父さんがリビングからゆっくりと姿を現した。 「…………」 父を目の前にして、湊さんは息を呑み込んだ様子が伺えた。 そして心なしか肩も上がってる…? 緊張……しているの?…かな??
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