プロポーズ編

13/92

5014人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
夕方から続いた必死の攻防は、私達がお暇するという形で場を終える事となる。 でも、もうこの時には私の怒りは頂点に達していた。 その事件は夕食の時に起こった。 夕食は一緒に食べたけれど、湊さんは運転するからという事でお父さんだけが手土産に持ってきた純米酒を呑み、私達は食事を味わうという食卓になった。 私のお母さんは料理上手で裁縫上手でお掃除も完璧。 そして自分のやり方があるらしく、手伝おうとするといつも”いいのよー、お母さんがやるから”っと言われ、私はこの家を出るまで一切家事はやった事がなかった。 「なるほど。どうりで…」 その続きを言おうとしてやめた湊さん。 言いたいことはわかりますよ。”どうりで不器用なはずだ”っと言いたいんでしょう。 お母さんの得意料理の一つ、筑前煮の人参を頬張りながら頬も同時に膨らませた。
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5014人が本棚に入れています
本棚に追加