プロポーズ編

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でも、私が怒った場面はここではない。 問題はお酒がいい具合に摂取され、ほろ酔い気分になったお父さんからの一言から始まった。 「それで、今日は何しにここに来た。こうして飯を食いに来ただけじゃないんだろ?」 お父さんは頬を赤色に染まらせて、お髭を触りながら湊さんに初めて喋りかけた。 お髭は昔からずっと生やしているけれど、随分と白髪が増えてきたな…っとこの時はまだそんな事を考える余裕があった。 終始緊張していたのは湊さん。 お父さんからの問いかけに姿勢を正し(元々崩れてはいなかったけれど)俯いて小さく咳払いをした後、顔を上げた。 「仰る通りです。本日はある許可をもらいに上がらせて頂きました」 「許可?あらっ、何かしら?」 嫌悪感丸出しのお父さんとは反対に、お母さんはお客気分でこの状況を楽しんでいる。 語尾に音符かハートマークが付きそうだ。
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