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そういえば湊さんは販促課の5Sリーダーだ。彼にぴったりの業務内容だとは常々思ってはいたけれど。
「引越しの時期とか…考えてるのか?」
お父さんが手土産の純米酒が入ったお猪口を口にしながらそう告げた。
引越しの時期まで聞いてくれるとは認めてくれているわけで……
私と湊さんはあまりにも呆気ない終わりに拍子抜けだ。
「えっ?お、お父さん?じゃあ一緒に住んでもいいの?」
つい身を乗り出して聞いてしまった。お父さんは私をチラッと見た後、視線を湊さんへと戻す。
「琴音は、この男と生涯を共にする気はあるのか?」
「な、何?いきなり……」
「お前もだ。こんな挨拶にまで来たんだ。娘を途中で放棄する様な真似はしないだろうな」
「そのような事は絶対にありえません」
「ね、ねぇ、ちょっと待って…」
何だか大事になってきて焦りだした私。
そして、お母さんの余計な一言がまたこの輪を乱した。
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