プロポーズ編

22/92

5014人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
それなのに…… 「俺は常識がない男は嫌いだ。筋の通っていない人間もな。それに、こういう事はくどくど説明ばかり抜かすより、一言で済ませておけばいいんだ。一言で。 お父さんの時は…」 お父さん、相当お酒が回っているのか、自分とお母さんの過去の事を語りだした。 お母さんはその話に頬を染めらせて照れており、私は両親のまさかの昔話に軽く引き気味だ。 そして湊さんはそれを聞いている素振りをして瞼を一回閉じ、そして私を見た後、お父さんに視線を移す。 湊さんは生真面目な分、きっと自分が敵わないと感じた目上の人の意見には素直に従うはず。 だからこそ……凄く嫌な予感しかしない…… そして、静かに語りだした。 「わかりました」 「んっ?」 何が”わかりました”なんだろう? もう何を言われるのかわからない緊張で心臓は爆発しそうだ。
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5014人が本棚に入れています
本棚に追加