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湊さんのその言い方に顔が真っ赤になっていくのがわかる。
赤くなるという事は図星だという事だ。
恥ずかしさに耐えられなかった私は手を離そうとすると、湊さんに力強く握り締められた。
そしてその事に喜んでいる簡単な自分もいた。
本当、湊さんの事になると私は相変わらずすぐに自分が崩れるなぁ…っと情けなくなるけれど、それでも少しの抵抗はまだちょっとしていたい。
「も、もう!まだ怒ってますからね!」
「あぁ、わかっている」
喉を鳴らせて笑う彼の顔は、少し前を歩いているから見えない。
でも笑われているのだろうとは湊さんの声のトーンでわかる。
そして気分がよくなった彼に繋がれている手の力も優しくなってくる。
手を繋いだまま私と湊さんは、彼とそして私もこれから暮らす事になるマンションの部屋へと帰って来た。
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