プロポーズ編

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改めてここから見る彼の姿は、こうして見ると中学生の頃の面影が見え隠れする。 特に横顔。 いつも図書室のカウンターから見えるのは横顔が多かったから、特に印象が強く残っているのかもしれない。 昔と今とじゃ雰囲気も凛々しさ少し違うけれど、あまり違和感を感じなかった分… 「湊さんって老け顔って言われた事、あります?」 「…君は本気で喧嘩を売っているのか?いい加減、怒りを静めなさい」 すうっと細められたその鋭い瞳。何だ、図星だ。 今でも子どものような私と昔から老け顔の湊さん…… 何となく察してはいたけれど、私達って本当アンバランスな二人だと思う。 「ご、ごめんなさい…」 私が謝罪の言葉を口にすると、隣に座った湊さんは二人分のワイングラスとワインのボトルをテーブルに置いた。
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