プロポーズ編

36/92
前へ
/434ページ
次へ
(柊side) _______________ 24年間生きてきて、あの日ほど自分の言動に後悔を感じたことはなかった。 ”やってしまった” っと思った時にはもう時すでに遅し、だ。 兎に角、目の前で憤怒している彼女の父親を宥める策を考えるのに必死になりすぎて、隣で一人慌てている琴の存在をおざなりにしてしまっていた。 その結果があの日の夜の琴の態度と言動だ。 今までどんなにからかっても軽く怒りはするが、無言になるほど激怒した事はない。 父親に続き次は娘を宥める…… あの日ほど神経をすり減らした夜はいまだかつて経験した事がなかった。 そしてそれは全て自分のせいなのだから、自業自得だ。
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5014人が本棚に入れています
本棚に追加